多くの作物がウイルス病に侵される。
その中でウイルスによっては葉に激しい病徴が現れないものもあり、ウイルスに罹っていると認識できないものもある。
1960年代から70年代の植物ウイルスが研究された初期には、全てのウイルスが甚大な影響を植物に与えると考えられ、
メリクロン技術では、その全てのウイルスがフリーでなければならないという認識で、
完全ウイルスフリーを目的として行われてきた。

多年草植物である果樹などでは、自然の圃場で栽培する限り、メリクロンと称する苗を植えても、
永年いわたってウイルスフリーを持続させることは不可能である。
樹液伝染。
そういう伝染のウイルス病では、果樹は「剪定」を行うが、いちいちバーナーで、ノコギリ、剪定ばさみを焼いている生産者などいないので、
ほとんど意味をなさないことになる。

ウイルス病にかかると減収するのは、葉の葉緑素が破壊され光合成が減少するからである。
この光合成減少分を、他のエネルギーで補完すれば減収しないで済むことになる。
これまでの植物理論では、植物のエネルギー調達は「光合成」の澱粉のみとされてきた。
この理論からすれば、ウイルスに罹れば・・・即減収、収量減という・・・まことに短絡的なものになる。
本当に、植物とウイルスの関係は、そのように簡単なものなのか。
植物には、それに対応する備えはないのか。
植物はウイルスに対してそのように無防備なのか。


大自然には、ウイルスが大繁殖、活性化させない仕組みが構築されていると考えるのが妥当なのではないか。
ウイルスに負けない体力もその一つであろう。
体力が弱る原因に「光合成不足」がある。
植物にとって最も大切なエネルギー調達ルートである「光合成」。
植物進化の4億年の歴史で、植物のエネルギー調達が光合成が唯一とされているが、
本当にこれ一つで・・・植物は子孫を作ってきたのか????
この度の北海道地震の北海道電力におけるブラックアウトによる停電。
これは、一つの火力発電所に頼りすぎて起こったという。
植物は・・・こういうバカなことを4億年もしてきたのか???

エネルギー源である糖は土壌にもある。
木材腐朽菌が枯れ葉、植物死骸を分解して産生する「ブドウ糖」である。
本当に植物はこの糖を吸収調達しないのか???
この場面で問題になるのは「酵母菌」の存在である。
この酵母は、好気状態ではブドウ糖を分解して炭酸ガスと水を作る。
これでは植物のエネルギーになり得ない。
土壌中の酸素が少ない条件では嫌気醗酵してアルコールになり、植物は吸収できない。
これが土壌微生物の科学である。

しかし、この科学には盲点がある。
若し、土壌中、地表に「酵母」を不活性化、休眠させることが出来る菌が生息していれば・・・どうなる。
ブドウ糖は土中でアルコールになることはない。
更に、アルコールを吸収できる「菌根菌」が根と共生していればどうなる。
植物の根は菌根菌を介してブドウ糖を吸収できるようになる。
根毛では分子状態で土中にあるブドウ糖もケイ酸も吸収できない。
しかし菌根はブドウ糖もケイ酸も吸収できる。
つまり、これまでの科学は、植物の根が「根毛」であるという前提で構築されている。
「菌根菌」も「菌根」も削除されたもので構築されている科学理論である。
自然界の土壌は・・・「複雑系」社会である。
研究室内はそれを再現することは・・・不可能である。

MOG-A1菌の発見と、SmartMax  GreatRay溶液の開発による圃場試験で、
酵母菌をMOG-A1菌が圃場で休眠、不活性化することが、
SmartMax  GreatRay溶液の灌注でアルコール発酵が起こらないことで証明できた。
MOG-A1菌はランの菌根菌である。
枯れ落ち葉を分解してブドウ糖を作り、ランの無胚乳種子を発芽させることが出来る菌である。


自然界の野生の植物は、このエネルギーを使ってウイルスを不活性化する体内免疫システムを
構築しているのではない。
更に、罹病した場合に起こる光合成減少を、このブドウ糖で補完しているのではないか。
ブドウ糖を完全にもやすと1gには3800calのエネルギーがある。
これを植物は本当に利用してこなかったのか。
木材腐朽菌をも利用してこなかったのか。
農業は大きな誤りの上に・・・栽培法を構築してきたのではないか・

自然界の植物では、ウイルスが問題になることはない。
植物の生育に大きな影響を見ることはない。
圃場と自然のエリアの違いは何か。
それは菌社会の違いである。
自然の地表は枯れ葉を分解出来る木材腐朽菌が支配している世界。
木材腐朽菌が地球に現れたのは約3億年前。
農業の畑は、地表を開墾して作ったものだから農耕が始まってからの年月。
ハウス・・・近年。
このハウスでもウイルス病は発生する。
自生地にあってハウス内にないもの。
それは「木材腐朽菌」である。

こういう考察をすると、木材腐朽菌がウイルスを不活性化していると考えられる。
低分子リグニン。
木材腐朽菌が枯れ葉、植物死骸を分解すると高分子のリグニンから低分子リグニンが出来る。
この低分子リグニンがウイルスを不活性化する
これがウイルスを「不活性化」する、又は体内免疫システムの発現を誘発させる。
シイタケの菌糸懸濁液がランのウイルスを不活性化するという先行知見もある。

圃場で光合成が減少すれば作物の組織は脆弱になる。
弱った作物は・・・吸汁害虫を・・・おびき寄せる。
そういう成分を発散している。それを感知して寄ってくる。
「弱り目に祟り目」である。
戦争に負けた日本が、戦後「シラミ」が猛威を振るい「発疹チウス病」が流行った。
国民の栄養不足の体は・・・シラミにとっては千載一遇の繁殖条件をもたらした。
結核菌も同じ・・・・。
ウイルスで起こる多様な病気も同じ・・・。
植物には、動物のような免疫細胞はない。
その代わり・・・・木材腐朽菌の力を利用していると考えられる。
木材腐朽菌がケイ酸、ブドウ糖を植物に供給している。
根毛では吸収できない。
農業では作物の根が根毛が発達した根にすることが良い土壌作りだといわれているが、
農業では「菌根」をないがしろにしている。
堆肥を入れても「菌根」にはならない!
有機栽培では逆立ちしても「ウイルス」を防ぐことが出来ない。
一つ一つではなく「複雑系」で植物はウイルスと戦っている。
植物は動物のように移動できない。
芽生えた場所で・・・生き続けるには、それなりの工夫が、知恵が必要である。
ウイルスも植物にとっての一つの「環境」であれば、
環境に適応したものが生き残る・・・・・
植物にとって地球の自然は・・・優しいものではない。
常に自然の猛威と、外敵との戦いである。
それに備えたものが野生の植物には・・・必ずある。
更に・・・植物はゴミを出さない!枯れ葉1kg約4000カロリー。
これを木材腐朽菌に力を借りて光合成の補完エネルギーにしている。
ウイルス、病害菌に対する体内免疫システムを強くするには多くのエネルギーを必要とする。
体力の弱った時を狙ってウイルスは大繁殖し病徴が激しく表れる。
この枯れ葉の再生循環のシステムの中に、エネルギー、ウイルスの問題をクリアしたものが含まれている。
低分子リグニン。
その適応能力を・・・人間は品種改良と称して・・・・消滅させてきた。
人間にとって都合の良いものは、ウイルスにとっても都合が良い・・・・?
土壌改良も・・・・。


これは宇井 清太の「仮説」である。
自然生態系免疫。




 
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ウイルス病による光合成減少を補完する
  SmartMax GreatRayによるブドウ糖供給
    ウイルス不活性についての考察

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